最近お客様からアブラカスの質問が多いので、店内掲示するような説明書きでも作るかなと思ってたのですが、まどろっこしい御託感ある説明書きは結局ところ、あんまりロックじゃないよね(笑)って言う私個人とボブ・ディラン判断基準の元といいますか、ボブ・ディラン言う所のレコードに付いてくる歌詞カードを歌や消費されるモノに言い訳と保険はいらないだろ?歌詞の説明はダサい。と言いボブ・ディランが歌詞カードを廃止にさせたわりにはノーベル賞文学賞を取ったことで、ある程度は説明はつくだろう。説明は最小限でいいのだ、、、と。言うことで、ごちゃごちゃしたものは作らないで今日は「アブラカス」についてブログにだけごちゃごちゃ書きたいと思います。
まず、言いたいのは名前からしてクドイと思われがちですがそんな事はありません。が、人によるのでグドイと思う方はクドイと思います。楽天の大げさなネット誇大広告的に言うと「かす」は旨味と栄養そのもの、美容成分のコラーゲン、健康の素のビタミン、ミネラルなどが豊富で低カロリーで高たんぱく質です。
まぁ基本アブラっぽいですが、、、人によります(笑)
そもそも「アブラカス」って何?ってほどマイナー食材ですが「油かす」とは簡単に言うとホルモンを揚げたもの。さらに詳しく言うとホルモンの中の腸です(もちろん豚ではなくうちのは牛)それをじっくり揚げ、水分を飛ばし、旨味を凝縮したものが「アブラカス」です。(あくまで一般的な簡単な説明です)背油なんて足元にも及ばない旨味の素の食材なのです←誇大
一般的には未だにマイナーかもしれませんが、全国にわたって色々な飲食店では多く使われています。もう多種多様です。うどん、お好み焼き、焼きそば、炒飯、炊き込みご飯、カレー・・・etc 特に関西地方の発祥地である大阪ではかなりメジャーです。
その中でも大阪のかすうどんは有名で実に美味しいです大阪に住む知人が「普通に小さなスーパーでも売ってるよ」と、写メを送ってきてくれました。
知ってましたが(笑)
見たことない人は何コレ?でしょうが、どんな料理にも相性がよく、旨味が増し、隠し味にも使われているんです「かす」の使い方も難しいものではありません。これも一般的な調理方法ですがカットして茹でるだけです。もしくは細かくカットして「天かす」のように使います。アブラカスのテイクアウト常連さん曰く、カップラーメンに少し入れるお客様が多いです。カップラーメンに入れると、とろとろになり旨味がアップします。焼き物に仕込むといい感じの油つやでカリッと焼きあがります。機会があればカステイクアウトもお試しください。
そんな商品が「カスラーメン」です。決してカス野郎でカスハラの店主が作ってるからカスラーではありません(笑)
2014年発売当初のブログ
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「油かす」その歴史は古く、そして複雑な背景があります。発祥は関西、大阪南河内で江戸時代後期頃からあったそうです。広まっていったのは昭和初期くらいだと聞きました。今の名目は郷土食材、郷土保存食などですが、その裏事情、歴史的背景は複雑なものです。「油かす」はホルモンの揚げ物です。しかし、ホルモン自体、昔は一般的には食べない部位というか捨てる内臓とされていました。ホルモンという言葉もなく、食肉の残滓(ざんし・残りかすという意味合いの言葉)と呼ばれていたそうです。しかし、実際はただのような値段で取引され食べていた地域がありました。今では聞かなくなったいわゆる部落(被部落差別)地域が発祥原点なのです。(因みにアメリカのフライドチキンのはじまり似た感じ)と貧困だったので屠蓄業(とちくぎょう・牛などをさばく仕事)をしている人が多かったので食べていたそうです。そのホルモンの揚げ物が「油かす」のルーツなのです。同じく、琉球人(沖縄)アイヌ(北海道)と差別があったこの2つはごく普通に丸ごと残さず食べる習慣があったようです。今では当たり前のように食べているホルモンも、こうした複雑な歴史があったのです。なので、昔は安く取引されていた「油かす」も、今では、ちょマジかよ、、、ってくらい高級食材になっています。
「油かす」がお高いのは独特な加工があってのこともありますがとにかく言いたいのは複雑であっても「油かす」は伝統食材だという事です。そういう歴史背景があるからこそ、作る私も生き残ってきた歴史と知恵と人の怨念にもにた魂が宿る伝統食材という思いが自分にはあり力を入れ使っています。今回はチョイ熱で「油かす」について語りましたが、少しは伝わったでしょうか?
単純に「かす」はまあまあ素晴らしい食材だと伝えたかったのと、東京や仙台ではなかなかマイナーな食材で入手困難で、いざ手に入れてもどうすれば?でしょうから一度当店で、その味をぜひ試してほしいということと、そろそろ始まる冬季限定のセリラーメンにもアブラカス入ってますし、2007年創業からメニューが広がった印象もあるので(実質二つ)ここは少し枝を切り落とし、増税を期にメニューの年輪、幹のようなものを少し太くしたいと考えています。振り返るとアブラカス・ランチェスター戦略で川口を辞めた7年前、やめた理由は、どうしても定番でやりたかったカスラーメンですし、冬季セリラーメンも控えているので、武器庫を整理したいと思いまして、創業より提供してたエビつけ麺を廃盤にし、問い合わせのあるカスを増やしていきたい意向があり、今回「油かす」について語ってみました。
結局、何が武器か、、、、こうして振り返ってみると現時点では自家製麺とアブラカスということになりますかね。小手先に甘んじず、胡散臭いマーケや取材宣伝しても流れのあるラーメン稼業は続かない時代です。涼しくなる秋は新しいお客様もいらっしゃるので、もう少し足元固めて、エビの仕込みが無くなった分、具体的に言うと照準はカスラーメンをアッサリとコッテリにわけて出したいですかね。
エビつけめん、今までありがとうございました。
おわり
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